kyuugoshirae’s diary

読んだもの見たものなどについて

朱戸アオ 『Final Phase』と災害ユートピアについて

都心の湾岸地区にウイルスの猛威が襲い掛かる!! 世界との距離が近くなった現代日本に、警鐘を鳴らす本格ディザスターコミック!! (Amazon Kindle Unlimited 紹介ページより引用)2011年に出版されたコミックで、同作者による2017年発行の『リウーを待ちなが…

『ゆりあ先生の赤い糸』が完結した

休眠状態だったこのページに突然アクセスが急増して驚きました。こちらのpostが週刊はてなブログで言及されていたようです。 kyuugoshirae.hatenablog.com blog.hatenablog.com こちらにもある通り、『ゆりあ先生の赤い糸』は先日最終回を迎えたのだが、ゆり…

入江喜和『ゆりあ先生の赤い糸』

ここ数ヶ月の間に一番衝撃を受けたのは『ゆりあ先生の赤い糸』という漫画で、「とりあえず読んでください」としか言えない。というのも文章で内容を書いたところで全く伝わらないからだ。 主人公の「ゆりあ先生」は夫とその母と暮らしており、突然倒れた夫の…

松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』

一気呵成に読みながらエネルギーを吸い取られるのがわかり、読了後には大きな疲労感が残ったが、筆者の筆力に飲まれるまま読めたことに清々しい気持ちを覚えた。 私が読んだのは1994年に河出書房新社から刊行されたもので、『いちばん長い午後』『微熱休暇』…

温又柔『真ん中の子どもたち』

日本人と台湾人夫婦の間に生まれた女性が主人公の青春群像劇。母語とは?国境とは?言葉とアイデンティティの関係や国籍、そしてなにより青春を描いた話。 イギリス英語、アメリカ英語、またシングリッシュなどのことをEnglishes と言うけれど、それ以上に多…

ほしよりこ『逢沢りく』

手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞作『逢沢りく』、遅ればせながら。 ほしよりこさんのインスタをたまに見てるのだけど View this post on Instagram A post shared by hoshiyo yorico (@hoshiyr) www.instagram.com こんな風に、鉛筆の線に迷いがない。 この…

妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 一冊だけ選ぶならば、これ。 『少年H』の作者、舞台美術家妹尾河童が主にヨーロッパ22カ国を旅したルポエッセイ。文化庁の助成金で海外派遣されたときに旅の記録をしたためていたものが、帰国後友人たちの間で評判とな…