DIC川村記念美術館 絵の住処(すみか)-作品が暮らす11の部屋-
千葉に仕事で用があったので、ついでに美術館に行って帰ろう、ということで行ってきた。
恥ずかしながらこの美術館の存在を今回はじめて知ったのだけど、とても充実した鑑賞体験ができて、早く次の展示に行きたいと思っているくらい。東京からだと結構遠いけど、そんなことは全く苦にならなかった。むしろ東京から片道2時間ほど乗り換え3回ほどの道のりも、美術館という絵の住処へ期待に胸を膨らませながら向かう楽しい遠足という感覚になる。
私が観た展示は、タイトルのように美術館内の11の部屋にそれぞれテーマ性のある展示がしてあるというもの。部屋はそれぞれ内装や照明、広さや天井の高さ、材質がまちまちなので、部屋の特徴と作品との組み合わせも深く味わえるようになっている。
特によかったのは目玉のマーク・ロスコの部屋。巨大なロスコが多角形の部屋の壁面を埋め尽くしており、否が応でも向き合わざるを得なくなる。長椅子も設置されているので、それぞれの壁面にじっくり見入るもよし、部屋をぐるぐると歩き回るもよし。次点で日本美術の部屋。鏑木清方の『雑司ヶ谷深秋』という作品がとてもよかった。この部屋、運良く長時間貸し切り状態だったので静かに作品のそばにいられた。
上野や六本木の美術館なんて、教科書級の大きな目玉がなくとも休日は入場待ち、人混みの隙間から作品を覗き見ることしかできない。しかしここでは展示空間にゆとりがあるだけでなく鑑賞客も少ないので、作品の鑑賞姿勢が根本的に変わってくる。作品とともにいるという体験を初めてできたように思う。気に入り衝撃を受けるあまり、展示を3周もするほどだった。
時間とお金をかけてでも、赴く価値のある美術館。超混みの上野や六本木でくたくたになるより、こちらを断然おすすめする。
4月下旬からは、サイ・トゥオンブリー!
Sia 1000 Forms of Fear
やっと聴いてる。MVが話題になったChandelierしか聴いたことがなくて、その時の印象は映像込みで好きな感じだけど他の曲はどうなのかな、というところ。やっぱり踊ってる人を見るのは楽しい。
アルバム通して聴くとまた違った印象で、それぞれの曲調を歌声の力でまとめている感じ。何度もアルバムの曲順のままリピートしたくなる。というかしまくっている。1枚の作品として優れていると思う。
鈴木理策『意識の流れ』 東京オペラシティアートギャラリー
会期ギリギリに滑り込み。
写真の見方はよくわかっていないのだけど、素直に見て素直に良いと思える展示でした。ピントの合わせ方が絶妙で、撮影者の見た景色がそのまま眼前に広がっているのだな、という感覚があった。そのまま写真に入り込めるような錯覚すら覚える。
展示スペースの使い方もよかったのだと思う、特に雪をテーマにした連作はあの広い空間でないと難しかったのでは。すべてのスペースが居心地よく、何度も回ってしまった。
カタログを買おうかなと思ったものの、8000円プラス税。映像作品や文章も収録されてるとのことだけど、高い。3000円くらいの廉価版と12000円くらいの豪華版で出してくれればいろんな人が喜ぶのではないかと思ったのだけど。貧乏なのでポストカードを数枚買って帰った。ポスターもあったのだけど、写真の占める面積が中途半端だったのでやめておいた。
鈴木理策写真展 意識の流れ|東京オペラシティアートギャラリー
妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
一冊だけ選ぶならば、これ。
『少年H』の作者、舞台美術家妹尾河童が主にヨーロッパ22カ国を旅したルポエッセイ。文化庁の助成金で海外派遣されたときに旅の記録をしたためていたものが、帰国後友人たちの間で評判となり出版されたという経緯がある。
各国の安宿を天井から俯瞰した図と各都市の印象を記したページが大半を占め、ホテルの部屋、窓、はてはビデといったところからこんなに地域性が読み取れるのか!と感心することしきり。筆者の「覗き」の鋭さに驚く。
ドイツが東西に分かれ、ロシアはソビエト連邦だった時代、もちろんEUもない。おそらく今よりももっとヨーロッパ各国の差異が際立っていたのだと思う。国境を越える列車で見た車掌さんたちのスケッチ、各国の寝台車のスケッチも面白い。
一冊に通底するのは、「自分と他者との差異にどう向き合うか」という視点だと思う。
あとがきに
日本もヨーロッパと同じであるべきだというつもりもありません。日本は日本。ヨーロッパはヨーロッパであるからです。ただ一ついえることは、日本がこれからも、ヨーロッパのものを見たり、つきあったり、大きくは外交や貿易をするにしても、彼等の考えかたを少しでも知ろうとすることや、ナルホドと思えるものは取り入れてもいいのではないかと思ったことです。
とあるように、距離を保ちながら謙虚な姿勢で「覗いた」記録。初出は昭和51年、1976年。およそ40年以上昔に書かれたものでありながら、グローバリゼーションが進むに連れ読んで感じるところも多くなっていくのでは。よし、妹尾河童が感じた差異を私も感じに行こう、と初めての海外旅行にヨーロッパ、パリを選ぶきっかけとなった一冊。
ちなみに妹尾河童の『覗いた』シリーズはどれも素晴らしい。このヨーロッパ編は最初の一冊なんだけど、以後インド、ニッポン、トイレを「覗いた」記録が出版されている。『河童が覗いたトイレまんだら』では、タモリ邸のトイレも覗かれている!
ayabambi
ひとつ前のマドンナの記事でも触れたけど、アヤバンビはかっこいい。
最初二人のことを知ったのはこの動画
踊りがかっこいいのはもちろんなんだけど、ayaさんとbambiさんが女性のカップルで海外で同性婚してるってのがもうほんとかっこいいな!!!と思ってyoutubeで動画を漁る日々。インスタもフォロー。
そしてMステのクリスマスライブ、紅白で椎名林檎のバックダンサー(バックダンサーどころじゃない存在感だったけど)やってて感動して、調べたら椎名林檎のツアーに帯同してたと知る。
日本より海外での活動のほうが多くて、日本で踊ってるとこをみる機会はなかなかなさそうだったけど、ワコールのイベント@新宿伊勢丹でパフォーマンスすると知って万難を排して行ってきた。
17時からと19時からの2回イベントがあったけど、17時の様子をTwitterでうかがいつつ18時20分ごろ新宿伊勢丹へ。伊勢丹1階の化粧品売り場とバッグ売り場の境目、ステージでやると聞いてたから、早めにいってなんとなく場所を確保しないと観られないだろうと思ってたので。イベント開始30分前、スタッフさんがパーテーション用意したときから最前列に陣取れた。イベント中はスタッフさんが立ち止まらないで!!って人だかりを整理してたのでやっぱり正解。
2メートルくらいの距離で観る生アヤバンビは思ってたほど華奢ではなくて、細いけど踊る筋肉は美しくついている感じ。ゆったりした音楽に合わせてポージングしながら静かに動くんだけど、雰囲気があるとかおしゃれ感とかってのはこういうことかー、とものすごく納得する動きだった。シンクロしながら激しく動くわけじゃないんだけど二人の一体感があって、並んでるだけで絵になる。
最初はランジェリーをワンピースみたいに着て、衣装替えに一旦下がり、再び登場すると黒い全身タイツ(私物らしい)にランジェリーを重ねていた。
このイベントの後、仲宗根梨乃さんも出るショーに出て、それ以来日本での仕事はないみたいだったから、本当に行けてよかった。その後アレキサンダー・ワンのアイコンになったりマドンナのツアーに帯同したり、もうあんな至近距離じゃ観られないだろうなー。椎名林檎も『長く短い祭』のインタビューでアヤバンビに出てほしかったけどマドンナに取られちゃって、という旨のことを言ってたし。
ぱっと見て性別も年齢もわからない、兄弟姉妹なのかカップルなのかもわからない、そんなルックスでもっていくだけじゃなくて動きにも魅力がある、完成された二人。
マドンナの来日公演が楽しみで仕方ない。
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初出記載:2022年9月22日