kyuugoshirae’s diary

読んだもの見たものなどについて

「鷹の井戸」杉本博司演出 2019年パリ・オペラ座

パリ・オペラ座350周年を記念した1年間にわたる公演の第一作目とのこと。日本の現代美術家杉本博司が演出を手掛ける。制作ドキュメンタリー番組と舞台の映像を視聴した。 casabrutus.com 原作は、イェイツが日本の能にインスパイアされた戯曲『鷹の井戸』。…

最近読んでる漫画いろいろ

『コーポ・ア・コーポ』岩浪れんじ COMICめづで連載中。実写映画化が先日発表された。 大阪の安アパートに住む人たちを中心とした群像劇。やり取りの間合いやテンポにわかるわー、あるわー、という瞬間がたくさんある。 作者さんのTwitterが面白い 岩浪れん…

ジジ&ピンチ 犬童一心 『セーラーゾンビ』

深夜ドラマのコミカライズらしいがドラマは見ていない。 ゾンビもののお決まりやパターンは全く詳しくないが、多分「ゾンビもの」という感じではなさそう。 ゾンビの恐怖よりシスターフッドみたいなものがメインで、ゾンビが発生した理由には最初から最後ま…

朱戸アオ 『Final Phase』と災害ユートピアについて

都心の湾岸地区にウイルスの猛威が襲い掛かる!! 世界との距離が近くなった現代日本に、警鐘を鳴らす本格ディザスターコミック!! (Amazon Kindle Unlimited 紹介ページより引用)2011年に出版されたコミックで、同作者による2017年発行の『リウーを待ちなが…

『ゆりあ先生の赤い糸』が完結した

休眠状態だったこのページに突然アクセスが急増して驚きました。こちらのpostが週刊はてなブログで言及されていたようです。 kyuugoshirae.hatenablog.com blog.hatenablog.com こちらにもある通り、『ゆりあ先生の赤い糸』は先日最終回を迎えたのだが、ゆり…

入江喜和『ゆりあ先生の赤い糸』

ここ数ヶ月の間に一番衝撃を受けたのは『ゆりあ先生の赤い糸』という漫画で、「とりあえず読んでください」としか言えない。というのも文章で内容を書いたところで全く伝わらないからだ。 主人公の「ゆりあ先生」は夫とその母と暮らしており、突然倒れた夫の…

過去書いたものの転載作業と近頃思うことなど

以前書いていたものをこちらのブログの過去記事としてサルベージする作業を少しずつしているのだが、自分の文章の癖がよくわかって面白い。特に、癪に障る言い回しが結構あり、「よくこんな薄っぺらいことを長々ともったいぶって書いたな」と思うものもある…

ポカリのCMのことを書きたくなってブログ作りました

きょう2021年4月9日金曜日に公開されたポカリのCMがとても語りたくなるものだったので、衝動的に色々書きました。 www.youtube.com 瞬発的にバズって「CGじゃなくてセットが動いてる」「15歳の中島セナさんがすごい」と話題になっていて、私も疾走感ある映像…

松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』

一気呵成に読みながらエネルギーを吸い取られるのがわかり、読了後には大きな疲労感が残ったが、筆者の筆力に飲まれるまま読めたことに清々しい気持ちを覚えた。 私が読んだのは1994年に河出書房新社から刊行されたもので、『いちばん長い午後』『微熱休暇』…

温又柔『真ん中の子どもたち』

日本人と台湾人夫婦の間に生まれた女性が主人公の青春群像劇。母語とは?国境とは?言葉とアイデンティティの関係や国籍、そしてなにより青春を描いた話。 イギリス英語、アメリカ英語、またシングリッシュなどのことをEnglishes と言うけれど、それ以上に多…

映画『スラムドッグ$ミリオネア』

アマゾンプライムにて。 娯楽大作であり貧困や人間ドラマが描かれた綺麗な作品だった。 ジャマール役とラティカ役の役者さん、2014年まで付き合ってたのだね。ジャマールのまっすぐな瞳、ラティカの澄んだ瞳が印象的。どうにかして生きるしかない日々とか人…

映画『恋する惑星』

恋する惑星 (字幕版) トニー・レオン Amazon ウォン・カーウァイ監督の言わずと知れた名画。初めて観た。 フェイ・ウォンは日本ドラマの『ウソコイ』や Eyes on me で知ってたけど映画では観たことなかった。重慶大厦のことはこの間NHKのドキュメント72時間…

映画『クーリンチェ少年殺人事件』

先日やっと観てきた。 切り口を色々学ぶと多面的に観られる映画なのだろうけど、それよりも今は自分に響いた極めて個人的な感想を大事にして、自分の中で消化していたい。まだ本作を観ていなくてこれを読んでいる人がいらっしゃったら、ここから先は読まずに…

Rosas Fase 東京芸術劇場 2017.05.03

一昨年の『ドラミング』ぶりにローザス@東京芸術劇場。今回は Fase と時の渦が上演されたけど、ケースマイケル本人が踊る Fase を観てきた。 スティーヴ・ライヒの楽曲で踊るダンスだけど、当日パンフのケースマイケルの言葉に「自分の音楽経験を振り付けに…

ほしよりこ『逢沢りく』

手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞作『逢沢りく』、遅ればせながら。 ほしよりこさんのインスタをたまに見てるのだけど View this post on Instagram A post shared by hoshiyo yorico (@hoshiyr) www.instagram.com こんな風に、鉛筆の線に迷いがない。 この…

黒澤明『乱』

2時間じっとしているのが苦痛なので映画をほとんど見ない。が、先日たまたまTSUTAYAのクーポンが当たったので、黒澤明の『乱』を借りてみた。 ピーター、演技は下手だと思ったけど身体で語るのはうまい。踊りも品があるしお小姓らしい軽妙さ。日舞の家元の息…

写真と本と生身の体

カメラマンさんと話していた時、「写真なんてうまれて高々100年の表現だから」と言うのを聞いて、そこからぼんやり思ったことなど。 活版印刷も写真も何かしらの技術革新から生まれたメディアで、時の経過で技術が失われたらメディアそのものも失われてしま…

ayabambi@2016紅白と、ダンスをメディアに乗せるって難しいなという話

夏から秋口にayaさんbambiさん間で色々あったみたいでお二人での活動を楽しみにしてる身としては本当に揺らされたけど、2016年の紅白も椎名林檎の後ろにいてくれてよかった。 カメラアングル見てると、椎名林檎がずっとこだわってるシンメトリーを強く意識し…

椎名林檎とAyaBambi、そしてマドンナ

2015年の紅白では椎名林檎と(椎名林檎の後ろで、というには大きすぎる存在感だった)AyaBambiが踊ってて、更にはしょっぱなから向井秀徳もワンフレーズだけ歌っててとても贅沢な数分間だった。 AyaBambiは椎名林檎の今回のツアーに帯同せずマドンナツアーの…

DIC川村記念美術館 絵の住処(すみか)-作品が暮らす11の部屋-

千葉に仕事で用があったので、ついでに美術館に行って帰ろう、ということで行ってきた。 恥ずかしながらこの美術館の存在を今回はじめて知ったのだけど、とても充実した鑑賞体験ができて、早く次の展示に行きたいと思っているくらい。東京からだと結構遠いけ…

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Sia 1000 Forms of Fear

やっと聴いてる。MVが話題になったChandelierしか聴いたことがなくて、その時の印象は映像込みで好きな感じだけど他の曲はどうなのかな、というところ。やっぱり踊ってる人を見るのは楽しい。 www.youtube.com アルバム通して聴くとまた違った印象で、それぞ…

鈴木理策『意識の流れ』 東京オペラシティアートギャラリー

会期ギリギリに滑り込み。 写真の見方はよくわかっていないのだけど、素直に見て素直に良いと思える展示でした。ピントの合わせ方が絶妙で、撮影者の見た景色がそのまま眼前に広がっているのだな、という感覚があった。そのまま写真に入り込めるような錯覚す…

妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 一冊だけ選ぶならば、これ。 『少年H』の作者、舞台美術家妹尾河童が主にヨーロッパ22カ国を旅したルポエッセイ。文化庁の助成金で海外派遣されたときに旅の記録をしたためていたものが、帰国後友人たちの間で評判とな…

ayabambi

ひとつ前のマドンナの記事でも触れたけど、アヤバンビはかっこいい。 最初二人のことを知ったのはこの動画 www.youtube.com 踊りがかっこいいのはもちろんなんだけど、ayaさんとbambiさんが女性のカップルで海外で同性婚してるってのがもうほんとかっこいい…

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